TOPPAGE
田渕雄太監督 インタビュー
(略)  ・・・田渕雄太監督   ・・・e-Spirit

ディレクターの仕事をどのように捉えていますか?

もともとプロダクションで企画をずっとやっていたせいか、プランナーとディレクターの境目がわからないでいます。 今でも企画コンテを書くようにして演出している感じです。

演出に関するこだわりをお聞かせください。

 最近意識していることが一つあって、「何気ない演出」「してないような演出」とか、 最近は流行っていますけど、そういうCMのトーンとは、距離を置いていたいかなーと。

それはなぜですか?

作った演技が好きだし、アングルもキッチリと決め決めにするのが好きです。 カメラをポーンとおいて、まわしっぱなしにしてリアルな瞬間を切り取るとか、 そういうのはあまり興味がなくて、流れの中で、こういう演技が必要だから、こうしてほしいって言うことが多いです。

最近リアリティを追求した広告をよく見かけますが、監督はどう思われますか?

『つくりこんだその先にこそあるリアリティ』というものがあるのではないかと思っています。 例えば「素人の方に出演してもらい、ずっとカメラを回しているだけ」というのは、ちょっと僕にはできないなと思っています。 やはり役者さんに何かを演じてもらうことによって出てくるリアリティ。 それを上手く考えて、計算して繋いだことによって、見ている人がエモーションを掻き立てられたり、 そこで笑ったりとかするような、そういう作った世界での面白さを追求していきたいと思っています。


現場でのこだわりをお聞かせください。

作業過程の中で極力自分の目でみて作り出していきたいと思っています。

例えば前日の「建てこみ」なども、全部見ていくということですか?

前の日にちゃんとカメラを入れて、ビジコンで全部撮って、 プリントアウトして全部張って、それを撮影当日再現します。あまりラフに考えないですね。

お忙しくて、参加できないケースもあると思いますが。

スケジュールの関係で「ロケハン行けません」とか、「建てこみに行けません」とか、 「テレシネに行けません」という場合は、まず発注された時点でお請けしてないです。

まあ多少の例外はありますが、それをやることを前提で仕事をお請けしているので、 そういうスタンスでできるスケジューリングにしてもらっています。本数はあまりできないですよね。オーディションも全部自分で見ています。

ビデオで見てもピンとこない。自分がそこにいないと駄目です。話した時の感触があるじゃないですか。 「この人、ちゃんと言ったことが分かるな」、「この人はちょっと時間がかかるかな」とかそういう判断の上でキャスティングしたい。


キャスティングに関して、どうしてもこだわりたい部分はありますか?

企画によるんで、一概にはいえないんですけど。自分が考えている、 その時のCMの世界観と、その人の相性が、その人を見た時にピンとくる瞬間があります。
合う合わないは一瞬で決まるんですが、それはやはり確実にあるので、その瞬間を僕は大事にしています。

今後やりたいことは何ですか?

理想を言えば、企画から入って、自分がいいなと思う企画が通り、自分で演出できれば最高ですけど。 さらに、120秒くらいのCMの話しがくるともっと最高ですけどね。ハハハハ。実際には、そういうワガママなオーダー通りっこないですけど。

15秒CM全盛期の時代が過ぎていくかもしれないですし、WEB用の長編CMとかはオーダーがあればたくさん作っていきたいですね。バンバン作りたいです。

作品のトーンとしては、どのようなものが嫌いというか苦手ですか?

僕は映像だけで「何かを感じてもらう」ようなCMはいやで、「コピー」や「テーマ」、「ストーリー」がある企画がやりたいです。 面白くて、狙ったCMは好きですけど、見る人にはちゃんと分かって理解できるものにしたいと思っています。




田渕雄太監督 up

クリエーターズインタビュー

キャスティングのイースピリットがお送りする「クリエーターズインタビュー」広告業界で活躍するクリエーターの貴重なインタビューを掲載。今回は、田渕雄太さんです。