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ディレクター集団「キャビア」 インタビュー
(略)   ・・・中村氏  ・・・児玉氏  ・・・田中氏   ・・・e-Spirit

まずキャビアというグループに関して、どういうグループなのかをお聞きしたいと思います。

中村さん(以下N) ディレクターとCGクリエーターが集まった会社です。

ちなみにディレクターの方は、合計で何名いらっしゃるんですか?

4名です。この3人中村・児玉・田中と、今日欠席の黒川です。

会社を設立されたきっかけをお聞かせください。

前からどうすればディレクターの仕事が効率よく進められるかという事を考えていて、 一つの場所にCGのクリエーターがいたり、オフラインのエディターがいたりすることで、 仕事の情報伝達が早い環境を作りたかったんです。で、設立して8年が経ってその制作環境が整って、 ディレクター4名、CGのスタッフも4名に増えていきました。

いろいろな個性のクリエーターがキャビアという場所で作業する事で、普段から、 ディレクター同士で映像の実験したいなって時に相談ができたり、CGのスタッフから情報をもらったりして、 それが作品に反映されるとか、そういうことがメンバー間の中で頻繁に行われています。

みんな、個々のディレクターとして独立した仕事をしているのだけど、いいものができるっていうのが一番の目標なので、 誰かのアドバイスによって少しでもそれが良くなるんだったら、そういう努力をしたいなと思うし、みんながそう思っていると思います(笑)。

児玉さんがキャビアに入られたきっかけをお聞かせください。

児玉さん(以下:K):もともとキャビアの作品が好きで(笑)。
フリー時代に人の紹介で中村と会って、今面白いと思ってる映像の話とか、手持ちの秘蔵ビデオの話とかお互い見せあっているうちに、 親しくなりました。

キャビアのメンバーとは、検証のプロセスであったり、最初の素材の掘り出し方っていうのがすごく近くて。みんなで話し合うと、面白いアイデアがいっぱい出てきますね。

田中さんがキャビアに入られたきっかけをお聞かせください。

田中さん(以下:T)CM制作会社時代に中村とは知り合いました。
その後、中村とは共同でディレクションする機会があって。好きなものが近かったり、すごく共感出来る事が沢山あって、キャビアの方向性も自分と合ってるなと思い参加しました。

キャビアとして何か制作に携わったものがあればお聞かせください。

「ZAMURAI TV」っていう音楽番組を作りました。 キャビアのクリエーターは8名全員参加。他にも皆のネットワークをいかして、日本でモーション・グラフィックスをやっている優秀な監督13名にも参加してもらいました。

みんな、本当に頑張って、すごくいいものができたんですよ。いろいろなディレクターが一つのプロジェクトを手掛けるなんてことは、 今まであまりできなかったことかもしれないけど、キャビアを中心にそういうことができたのが、面白い試みでした。


中村さんのこだわりをお聞かせください。

CMの場合は分かりやすく強いものを作ろうと特に心掛けています。強いっていうのはストレートに伝わるというか。
広告としての強度がしっかりしているというか、そういうものを目指しています。

PVはアーティストありきなので、そのアーティストの音楽を聞いてるファンの人達の心に響くものが何なのかを探りながらを作っています。

企画のアイデアが浮かぶ瞬間をお聞かせください。

例えば、ある映像の企画の時は、5〜6年前に友達と アメリカに旅行に行った体験がモトになりました。
グランドキャニオンの感動的な夕陽を背にして、黒人、白人、東洋人など様々な人種の観光客が、 入れ替わり立ち代わり記念撮影している光景を見ました。お互いに言葉を交わすわけではないんだけど、 ただみんながそこにいるだけでコミュニケーションが取れているような、とてもピースな感じがしたんです。
そういう時の感情が映像のアイデアの元になったりしますね。


ユニクロックに関してお聞かせください。

もともとのコンセプトは24時間続くミュージックビデオを作ろうってことだったんですね。 そのためには24時間いつ見ても「いいな」って思えるものにしようと考えてました。

出演者はどのように選んだのですか?

みんな4人ともかわいいですけど、それだけではない何かを持っている。 それが美しさだったり、まだ完成してない感じとかも含めて、「たたずんでいるだけでストーリーを想像させる人」というのを基準に選ばせてもらいました。

演出でこだわった点をお聞かせください。

サイズ感や4人の視線、それとカメラの視線にあえて違和感を感じるようにしました。
例えば同じ動きの中でも、フォーカスの合うポイントを変えたり、一人だけ座らせておいたりとか。 さっき見たのとどこか違うなっていう違和感によって、見ている人がストーリーを膨らませることができる工夫をしました。
動きが面白いとか、ポーズが美しいというのは、もちろんありますけど。 その違和感があったほうが、ずっと見ていたい映像になるのかなと思っています。


演出する上で気をつけていること、こだわりをお聞かせください。

僕の中で大前提として、おもしろかったり、新しかったり、あと、単純に綺麗であるとか、 そういった絵作りに関して最大限の注意を払います。仕事をしている上でそれを期待されているようにも感じます。 ただ、それだけではなく、人の魅力だったり、ストーリーの流れの意外性とか、そういったものもプラスしていくように心がけています。

世界観をお聞かせください。

グラフィックと映像で、グラフィックは一枚が故の強さがあるんだけれど、映像は時間軸があるので、 よりいろいろ感動が伝えられるメディアだと考えています。絵プラス時間というか。 そういう中でエモーショナルな世界観を描けるようにやってます。

今後挑戦したいことをお聞かせください。

見る人を感動させるとか、共感させるとか、そうしたい場合は、その人にとって共感しやすい設定にするのが基本だとは思うのですが、 (見る人がすんなりストーリーに入っていけるというか。。。)けど、ぼくはやっぱりおもしろい絵作りとかが好きなので、 見る人にとってぜんぜんリアルに感じる設定ではない、なんかおもしろいビジュアルなのに感動して泣いてしまう、 そんな映像がつくれたらとてもうれしいですね。



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キャスティングのイースピリットがお送りする「クリエーターズインタビュー」広告業界で活躍するクリエーターの貴重なインタビューを掲載。今回は、クリエーターズ「キャビア」の皆さんです。