(略) ・・・富永まい ・・・e-Spirit 富永さんの子供時代の話をお聞きしたいのですが? 運動は苦手でしたが、元気にバタバタ遊ぶ方でしたね。おもちゃを使って遊ぶというより、絵を描いたり図画工作をしたりする方が好きだったかな?。 小学生の時から舞台に上がるのが好きだったと聞いてきますが……。 誰に聞いたんですか?(笑)。 大学ではどのような勉強をしていたのですか? 俳優も演出もやれる人になりたくて、演劇コースがある美大に入りましたが……。 |
「ピラミッドフィルム」入社後、TVCMを数多く手がけることになりますが、今にして思う、TVCMを作る面白さとは何ですか? たとえば同じチームで毎年、ベネッセ(教育系出版社)のCMを製作させていただいていますが、とにかく現場のあらゆるものが色々な意味で豊かなわけですよ。 CMを製作するうえで、一貫した演出へのこだわりはありますか? 製作に携わるクライアントは多業種にわたりますが、私の場合、ベネッセ(教育系雑誌社)や、味の素(食品系メーカー)などで、子供向けや子供が出演するCMを手がけることが多いですね。 表現方法として、より具体的にはどんなこだわりが? その映像を通して見えてくる「色」にはこだわっていると思います。 キャスティングについてはどうですか? 常に気にしているのは、登場人物がどれだけそのCMに「ゆるみ」を与えてくれるか。だからオーディションの際にはできるだけ「演じていないニュートラルな状態」を見るようにします。 |
TVCMだけにとどまらず、映画やショートムービー、アニメーション、ミュージッククリップなど、現在多岐にわたりお仕事をされていますが、なかでも印象に残る作品を教えてください! 難しい質問ですね。なんでしょう? 「拾い物で埋め尽くされた屋敷に住む姉妹が、赤い毛糸で編みあげたおとぎ話」という物語設定を含め、これまでの富永さんの映像作品とは異なる世界観が凝縮された作品だったわけですがズバリ、どんなことをこの作品を通して伝えたかったのですか? これもまた、難しい質問ですね…。うーん、伝えたいことはたくさんあるんですけどね、「観てくれた方ご自身の体験と複合して、作品の世界観をそれぞれに味わってもらえたら、嬉しいなぁ。」と思っています。 時代精神に左右されない「エンターテイメント性の強い作品づくりを目指したい」という、美大時代の考え方が今でも変わっていないということですね。 映像作品には人それぞれの楽しみ方があって当然ですし、もちろん解釈はひとつではないですよね。ただし、消費者として私自身、劇場にでかけていったら「今生活している時間とは違う世界に連れていってほしい!」と思ってしまうんです。 少し前にフリーランスになられたとのことですが、最後に今後のビジョンをお聞かせください。 自分の世界観がお客さんとどんなコミュニケーションをとれるか、ということを改めて意識しなおそうと思っています。それぞれのジャンル間の相互作用も期待しつつ、活動の場を限定することなく挑戦していきたいです。…見てくれる人(消費者)の心に何かお土産をわたせて、後々にも味わってもらえるような、そんな作品を作っていけたらしあわせですね。 |
■作品紹介 あるところに、梅と亀という姉妹のおばあさんがいました。ふたりは何十年もの間、気に入ったゴミを拾っては持ち帰り、拾っては持ち帰っていたため、大きなお屋敷は完全なゴミ屋敷となっていました。ある日、いつものようにヒロイモノ集めに精を出していたふたりは、真っ赤な毛糸玉を持ち帰ります。するとその夜、不思議な少女が現れ、居着いてしまいました。一心不乱にセーターを編み続ける少女を、ふたりはアミナオシと名付けるのですが…。 ■受賞歴(「ウール100%」) サンダンス /NHK国際映像作家賞2003 最優秀賞 釜山国際映画祭2006 NEW CARRENTS部門 入選 Barcelona Asian Film Festival 2007(スペイン)D-CINEMA部門入選。 Osian's-Cinefan Festival of Asian and Arab Cinema(インド)First Features/Silhouetters入選。 |