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勝倉葉子氏 インタビュー
着物よりもファイナルカット!? 着物よりもファイナルカット!?
(略)  ・・・勝倉葉子氏   ・・・e-Spirit

小さい頃の勝倉さんはどんな女の子でしたか?

ゲームが大好きで、まわりに男の子が多かったためか、ロールプレイング系やアクション系などジャンルを問わずに何でもやっていました。当時、TVゲームが、どんどん進化していくのを間近で見ていた世代なので、将来はゲームクリエイターになろうと決めていました。でも、いざ進路を決める時に、もうちょっと広く「映像」というものが好きなんだと気付いて、ゲームに限らず映像制作に関わりたいと思いました。

そこからのステップを教えてください。

大学時代は、演劇と映像サークルなどに入っていました。当時、ファイナルカットを購入しようとすると20万円くらいかかったんです。でも欲しくて欲しくて、親に成人式の着物の代わりにファイナルカットを買ってもらいました(笑)。あと、実際の撮影の雰囲気などを知りたかったので、学生時代に出る側の事務所に入って、色々な現場に行きましたね。そんな現場の1つに、とあるゲームソフトのCMの仕事があって、そこで東映シーエムと出会い、仲間に入れて欲しいと言い続けて…今に至ります(笑)

大学を卒業して東映シーエムへ。最初は制作部に配属されたようですね。

CMからTVのオープニングなど長尺もやっているのがいいなあと思って入社しました。あと転部ができる可能性があるということで「いずれ企画演出部に行きたい」という野望は常に持っていましたね。だから仕事が忙しい中でもリマーカブル・ディレクター・オブ・ザ・イヤー※に作品を出して、2010年度のファイナリストに選ばれたときは本当に嬉しかったです。 (※日本アド・コンテンツ制作社連盟が主催する若手ディレクター対象のコンテスト)


ファイナリスト受賞で人生が変わった ファイナリスト受賞で人生が変わった

受賞した「見えない女」の制作のいきさつを教えてください。

意識的に「マナーの悪いことをする」人を描くのではなく「誰もが無意識にマナー違反をおこしているかもしれない」という逆の視点を取り入れました。気づかないうちにマナー違反をしているということは、自分のことしか考えていないということ。その閉じた世界を表現するため、歩いていく足だけで構成し、ラストだけモデルの表情を入れました。
実は映像で使っているのは私の足と私のサンダルなんです。ただ、私が21,5cmという稀にみるミニサイズなので、モデルさんは「私のサンダルが入る人」縛りでお願いしました。彼女はまさにシンデレラガールですね(笑)。
私としても転機となった作品で、制作部にもいつの間にか4〜5年いて、「いつまでこの仕事を続けるんだろう。自分で作れる日は来るのか?」というような不安を抱えていたこともありました。だから、このファイナリスト受賞が強い後押しとなって念願だった企画演出部に行くことができたので、まさに人生のターニングポイントですね。 

BANDAIさんの「プリキュア ガシャポンドキドキ!キャンペーン」「フォトプリ メッシュインナー」など、子どもと関わる作品が多いように思います。

多いですね。子どもが「かわいい!」って思い、父母が見ても「持たせたいな」と思うものを表現できるように心掛けています。
子どもって未知数で、何かのきっかけでオーディション以上の事が本番でやれちゃったり、本当にミラクルでおもしろいですね。子どもが多いと、現場を楽しくすることを意識しています。待ちの時間はポケモンやプリキュア、戦隊モノの話をするので、それとなく事前に情報を仕入れることが大事(笑)。ゲーム好きが活かされているかも!

キャスティングに対してはどんなお考えですか?

オーディションをしたモデルさんと書類選考だけの方が並んだときに「こんなにも違うんだ」と実感したことがあるので、キャスティングの大切さは身にしみています。オーディションに呼んでいる方の特性をわかってくれているので、最短でドンピシャな方に出会えるのはやっぱり嬉しいです。
特に子どもは成長過程で変化が激しいので、そこを見極めてくれると本当に助かりますし、子どものいる現場はキャスティングの方がいてくれるだけでありがたいです。やっぱり子どものテンションを高めてくれるのが上手だし、細かいところに気づいてくれますしね。



「制作部出身」が自分の武器になっている 「制作部出身」が自分の武器になっている

ご自身の強みはどこだと思いますか?

制作部の経験かもしれません。予算とスケジュールが限られている作品は色々とアイデアが必要なので、そこをクリアするための工夫は制作部で鍛えられたことが生きていますね。

勝倉さんが目標とされているディレクターは?

社内・社外に限らず、尊敬する方はたくさんいます。でも「あの人みたいになりたい」だと、二番煎じになるだけ。誰になりたいかじゃなくて“自分自身の純度”を高めていきたいですね。

今後の目標や挑戦していきたいことを教えて下さい。

メディアが多様化しているので、CM以外にも面白いことができる場が増えていると感じます。音楽PVもやってみたいし、ショートムービーにも挑戦したいですね。「驚き」とか「おもしろい」など、人の感情に触れる映像を提供していきたいです。
あと、大好きなアーティストがいるので、いずれ関わることができたら最高です!

ありがとうございました!



勝倉葉子氏
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クリエーターズインタビュー

2013年からは『ヤングクリエーターズインタビュー』をお届け致します。
第4回目は東映シーエム勝倉葉子さんをインタビュー!