(略) ・・・串田 壮史氏 ・・・e-Spirit どんな幼少時代でしたか? サッカー少年でした。今でも地元の大阪に帰って、フットサルをして散髪をしてくるというのが月一の行事ですね。 ではイギリスでイチから映像制作を学んだわけですね 「PVってどうやって作るんだろう?」なんてワクワクしてたんですけど、入学した大学が実験映像を作っている先生が多かったんです。定点カメラで水道を撮って10分間の映像にしていたり、カメラをぐるぐる回したり、アバンギャルドなことをしていて…。 リール国際短編映画祭最優秀実験映像の受賞作でしょうか? そうです。『FLOW』という作品で、それをピラミッドフィルムの就職のときも提出したんですけど「余分なものが省かれている」と評価されたことを今でも覚えていますね。説明しすぎていないことがよかったみたいです。 |
入社後に手掛けた作品を紹介いただきながら、いくつか思い出深いものを挙げていただこうと思うのですが、まずはアドフェス(08)や、文化庁メディア芸術祭(09)の受賞作である『REINCARNATION』から。 もともと関心があった“人の体の動き”で映像を作りたいというのと、大学の実験映像を作っていたころの気持ちが残っている作品です。
リマーカブル・ディレクター・オブ・ザ・イヤー(2013)では、中島信也さんの好きな作品の一本として取り上げられたらしいですね。「いじめ」というテーマは、“いじめはダメだよね”という、ある意味答えの出ている問いで、その分難しさもあったのではないかと思うのですが。 僕が思う日本のいいところって、力を合わせるとか、みんなが同じであるとか、繋がりとか絆とか、島国だからこその考え方や文化なんだろうと思うんです。逆にそこから少しでもはみ出てしまったりすると、いじめにつながってしまう。根が深い問題です。だから「これは日本の文化なのか?」という問いかけをして、解決策は一つではないことや型にはまらないことで表現したいと考えました。文化は文化でも、受け継いでいかなければいけない文化と、逆に滑稽な文化がある。いじめは後者でしかないので、コミカルに描きたかった。 AEONワールドフェスタ「スペインフェア」は、イー・スピリットがキャスティングでお手伝いさせていただきました。 これについては話すことがいっぱいありますよ! |
串田さんの現場は、キャストもクライアントも笑いに包まれる不思議な空気があるんですよね。 リラックスしてやるのが一番ですからね。コンテも家で風呂に入りながら大枠を考えて、撮影現場で詰めていく。ハプニングも活かしたいし、対応して作り上げたいって思うのでガチガチに作っていくことはしません。頭の中だけで作ったコンテって、キレイすぎて息苦しいんですよ。多少破綻がないと。 キャスティングについて大事にされている部分はありますか? オーディションで一番見ているのは素の部分です。普段暮らしている様子とか話し方とか、生きている普段がリアリティだから、そこから完全に離れらないと思うんです。 今後の野望なんかはありますか? 広告映像では見せられないような作品作りですかね。長編への憧れもありますし。爆音でカメラグラグラ系とか。集客は見込めないですかね…。でもいくところまで振り切ってしまうと逆にいいかもしれないですし。映像の魅力は、ショックにあると思っていますので。 ありがとうございました! |