キャスティング会社イー・スピリットがお送りするクリエーターズインタビュートップページへ戻る
豊永利明 監督 インタビュー

(略)  ・・・豊永利明 監督   ・・・e-Spirit

豊永さんが、自主制作したショートフィルム「チョコレート」の話を中心に聞ければなと思っています。よろしくお願いします。

まずショートフィルムを制作しようと思った動機、経緯を教えてください。

最初、友達に誘われたんです。
スチールカメラマンで、専門学校の同級生です。彼から「なんかやろうよ」って言われたのが最初です。実は『チョコレート』の脚本を書く1年ぐらい前で、2人で2ヶ月に1回ぐらい会ったりして、いろいろやってたんです。ただ実際にいろいろやっていく内に、結構、いろいろありまして、2人でやるっていうことに。

どういうことですか?

『2人で監督やろう』って言い始めたんです。脚本に関しても譲れない部分があるし、やりたいトーンが全然違ってたのもありました。

以前、雑誌のショートフィルム特集を見てて、同世代のディレクターがフットワーク軽く作っていて、自分もできるというか、嫉妬もしましたね。そういうこともきっかけになって、やろうかなと思いました。

チョコレートの脚本を作るにあたり、なにを「テーマ」につくろうと考えたのでしょうか?

大人の恋を描きたかった。あとはバレンタインとか。アウトプットも結構、想像して脚本を作りました。結婚しているお父さん、お母さんだけど、男と女みたいな。大人の夫婦のバレンタインもあっていいのかなって。

実際に今まで、脚本やストーリーは書いてました?

はい、ちょっとしたものですが。

今回のチョコレートの脚本は、どれくらいの期間がかかったんですか?

8月から書いてました。4ヶ月ぐらいです。

永瀬正敏さんが今回出演をしますね。

はい、永瀬さんとは前の会社でお仕事ご一緒させていただいて、それ以来のお付き合いです。

すごいですよね。そうそうたるメンバーが賛同し、参加をしてくれたことは。
しかも、この作品が、永瀬さんと大森さんが初めて共演した作品になったんですよね。

嬉しいです。

実際に作っていく上で、ものすごく大変なことがあっただろうと思うんですね。僕が一番気になるのはお金の部分で、豊永さんが自分で全部やりくりしたわけですから。それもそうだと思うんですけど、実際に撮影に至って、今までのところで苦労した点とかはどうですか?

一番苦労したのは、自分でほぼ全部、準備したことです。と言っても、好きでやってましたので。全く苦ではなかったです。最後の3割ぐらいはスタッフの方に頼みました。永瀬さんの事務所のプロデューサーにも全部やらないほうが絶対にいいって言われて。
一人でロケハンかねて、ロケシーンの喫茶店を探しにお茶飲みに行ったりしました。一番いいなと思ったお店には、毎週行ってたりして。お客さんがこの時間だったらいないとか、何気に定休日を見たりとか。お客さんがいなくなった時に、マスターにお話しようとか、結構、慎重に事を進めました。

今後の「チョコレート」作品の展開、公開の予定などありましたら教えてください。

テーマがバレンタインなんですが、今度の2月(2007年2月)は無理なので、来年のバレンタインで劇場で公開できればと考えてます。具体的にはまだですが、多分、レイトショーだとは思うんです。ただ、たくさんのスタッフの方に協力してもらってるというのを考えると、多くの方に観てもらえるようなアウトプットが理想です。
先日、ドイツの短編映画祭に出品しました。今後はヨーロッパ、日本の短編映画祭に出品予定です。


『チョコレート』の見所を教えてください。

結構、わかりにくいってところが見所ですかね。答えになってないかな。

言葉を出さなくても伝えるものってあるじゃないですか。伝わるもの。そういうものを意識したっていうか。ありがとうとか好きとか、実はあまりダイレクトに言えないじゃないですか。恋愛とかも。それでも、そうじゃない部分でも人と人って感じる部分とか、思いってあるじゃないですか。そういうものを自分の中で丁寧に描いたつもりなんです。
喫茶店で、永瀬さんがチョコレートを食べるシーンは見所です。そんなこと普通、しないよって感じですが。


演出としてCMとショートフィルムの違いは?

やっぱりコマーシャルはクライアントさんのもの。いろいろ考えて演出しないとダメですね。自主ショートフィルムは、自分のアイデアが100%できるのがまず大きな違い。あと、尺が長いじゃないですか。現場で言うと、「ヨーイ、スタート」から「カット」までが長いですよね。我慢して、粘ったんですね、自分の中で。普段の「カット」よりも、「もうちょっと、もうちょっと」って。編集してると「うわっ、短いな」っていうのが具体的な部分です。

もし興味のある方はご連絡いただければと思います。松川さんにでもいいですし、僕にでもいいですので。


今後も撮りたいって感じですか?

撮りたいですね。やっぱり撮りたい。お金が厳しいですが・・・。

今回の『チョコレート』は東京の設定なんです。殺伐とした、隣の住民が誰が分かんないみたいな。それって東京の特有の一面ですよね。次は、地元の埼玉で撮りたいなって思ってます。すごく漠然としてますけど。 最後はみんなが笑っているようなものを今度は撮りたいなと思います。


次回、もし撮るとしたら、自分でまた出資しますか?

かたくなにそうすることがいいのか、それこそ賛同してくれる人がいて一緒にやってもいいし。今回、この作品をつくって、ある人に話をしたら、「なんで声をかけてくれなかったの」って言われたんですよ。変にかたくなに全部自分でやるんじゃなくて、「一緒にやりたい」といってくれる方は意外にいるんですよね。そういう人、気心知れた人とできるんだったら、自分で全部背負う必要がないというのはありますよね。


CMディレクターとして、演出上のこだわりなどありましたら教えてください。


演出家って自分の意図したいことを指示とか伝えて、最大限近いものにしてもらう。プラス、その個々の専門の方の持っているものをプラスα乗せてもらう作業だから、それをベストなように持っていくのが演出のこだわりというか作業だと思います。

演出プランを組み立てていく作業はどのように行なっているのですか?


決まったセリフを、どういう間とか、どういうしゃべり方とか、どういうテンポで入れるか、という意外と音の作業からします。

もともとディレクターを希望してたんですか?

そうです。前の会社では制作やってました。その時も演出をやりたいと思ってました。 学生の頃は写真をやってたんです。写真は好きなゆえに職業にしたくなかったんです。広告好きだったし、映像も面白そうだなと。好きな広告見たり、CM見て、サントリーの烏龍茶とか、JR東日本とか、きれいというかしっとりしたものが好きで、ああいうものを描きたいなと思って、それでCMの世界に入りました。


今後の目標を教えてください。

ちろんCMもやりたいし、ショートフィルムもやりたいです。変にCMだけとか区切らず、ミュージッククリップもやりたい。実際に去年、お仕事頂きました。松川さんにも出演して頂いて(笑)。
映像というカテゴリーで、いろいろできればと思ってます。


好きな食べ物は?

ほんと書きます?


書きますよ、本当に(笑)。このインタビュー記事を読んでいただいた制作スタッフが、豊永さんと一緒の現場の時に用意してくれるんじゃないかと思ってます(笑)

カレーライスが好きで、最近は、納豆です。 あとはビール。


お休みの日はどうされているんですか?

サッカースタジアムのゴール裏で旗振ってます。大宮アルディージャサポーターです。


何年ぐらいやってるんですか、サポーターは?

大宮のサポーターはここ2〜3年前からです。
僕が小学5年生の時にサッカー少年団を作ったんですけど、そこの出身の子が現在、大宮アルディージャの選手なんです。結構、嬉しいじゃないですか。そういう意味でも応援しちゃうというか。サッカーのCMとか、ナイキとか、スポーツメーカーなどのお仕事などやりたいですよね。


up

ショートフィルム 『chocolate(チョコレート)』 脚本・演出:豊永利明
【CAST】
  利明・・・永瀬正敏
  妻みえこ・・・宮本裕子
  娘あゆみ・・・工藤あかり
  喫茶店マスター・・・大森南朋
豊永利明監督
up

クリエーターズインタビュー

キャスティングのイースピリットがお送りする「クリエーターズインタビュー」広告業界で活躍するクリエーターの貴重なインタビューを掲載。今回は、豊永利明さんです。