(略) ・・・竹内幹氏 ・・・e-Spirit よろしくお願いします。まず監督が演出家という職業を選ばれたきっかけ、もしくは過程をお聞きしたいと思います。 これは話が古くなるんですけど高校の時、文化祭で芝居をやろうということになった。細かい経緯忘れましたが、私がまとめることになり、1年生の時は赤ずきんちゃんをドタバタ劇にして、それを演出して、クラス全員にやらせたというのがあったんです。2年の時に、ある原作があって、 それは原作では結構かわいそうな話なんだけど、またギャグ版に仕立て上げたりして、クラスみんなで芝居をやり、私は演出的なことを担当しました。その時に『形になっていない何かを作るのが面白い』と感じた。それが原点だろうと思っています。 ギャグなんですか?すごくスリラーな印象を受けるのですが。 いえ全編ギャグなんです。卒業制作では、確か太平洋戦争中の兵隊が爆風で現代にワープしてくる話を作ったんですよね。 その時に生き別れになった戦友が、今はこの世の中で武器の商人をやっているみたいな。 そいつをいさめにいくような。そんなようなギャグ仕立てのものを作って。そんな感じが演出家になりたいなっていう。 映画というか長編の本編を作りたかったのがもともとなんですよ。 |
フリーになられたときは、CMディレクターとしてですか? 14年前フリーになった当時は企画・プランニングでフリーになりました。最初の年は96本の企画をこなしたという記録があります。 1年で100本近くってすごい数ですよね。 かなりつらかったですよ、最初のほうは。ただそれだけ企画の仕事がきて、企画やっているうちに、 『演出もそのままやんないか』って話がきた。うまく演出の仕事が増えていったって経緯があります。 監督の面白いっていうのは、具体的に言うとどういうことですか? やっぱり共感性ですかね。『見たこともないものの面白さ』というよりは、自分の「あれっ、これ見たことあるぞ」 とか「よくあるよねー、こういうこと」っていうリアルさを重視しています。日常にあるちょっとした面白いことですね。 |
監督にとって企画とはなんですか? うーん。大変だけどやりがいのあること。なんにもないところから作るということは大変なんですよね。 困難な方が好きなんです。演出だってもちろん大変です。ただ今でも企画をやることはあるんですけど、 やっぱり『生みの苦しみ』みたいなのが企画を作るなかにはありますね。 こないだも一つ、自分の企画が競合で勝って進めていったんですけど、あまりにも長かったんで、 他の人に演出をお願いしました。企画だけで演出は他の人にやってもらうというケースもよくありますね。 それぐらい大変なことなんですね。 なんかそこに監督の愛を感じますね。 爆笑 なんか経てきた道を見て、『企画さんたち頑張ったね』って監督がはげましているみたいな。 まあ事情があるんですよね。よく「企画コンテを送るので見てください」っていわれますけど、事前にはあまり見ない。 『企画でやる』か『やらない』かを決めるわけじゃないからね。 |
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